本日『AERA』発売日

YOSHIKI表紙が目印.出勤時にコンビニで買えるかしら?


25年前の資料続きぺたり.

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PATi PATi ROCK'N'ROLL Vol.65(1992年11月号)
「HIGHER THAN HEAVEN」加藤祐介

★ボーカリストとしての俺

 ボーカルを始めたきっかけ?それは随分ロング・タイム・ア・ゴーなことになりますねぇ.(笑)基本的にはウチは音楽的な家庭だったんで,オフクロがピアノの先生だったりオヤジが歌の上手い人だったりしたから常にピアノが鳴っていたみたいな.だから覚えちゃったわけよ,曲を.バイエルとか,譜面は読めないんだけど弾けるわけ.ドとかレとかわからないんだけど感覚で弾いちゃうみたいな.だから音楽的には恵まれた環境だったんだけど,一番最初に歌ったっていうのは,童謡の歌集みたいなの見ながら歌ってカセットに吹き込んで.当時オープンリールのこんなでかいヤツを買ったわけよ.昭和43年ぐらいに.(笑)それで珍しいからいろいろ吹き込むじゃない?その中に俺のすっごい小さい頃の俺の歌が入ってたの.それが初めて人前で歌った歌なの.人前っていうか最初の録音物ね.(笑)未だにそれとってあるんだけど,上手いんだよ.(笑)それでしかもすごいのは,詰まったりするとオフクロが横で一緒に歌ってくれそうになるの.で,歌うと「歌わなくてもいいよ!」っていってるんだよね.(笑)自己主張が強いんだよね,その当時から.(笑)すでにリードボーカルとしての資質をかいま見た,みたいな.(笑)

 あとは音楽的には兄貴が二人いるっていうことでさ.しかも上の兄貴が日本の歌謡曲とかフォークとか好きで聴いてて,下の兄貴が洋楽でビートルズとか聴いてて.だから小さい頃から両方がいつでも流れてるみたいな.で,片方ではクラシックのピアノが流れてるみたいな.だからその頃にバンバン吸収したんじゃないかなぁ.その時点でも今の音楽性が決定されてしまったっていうかね.(笑)

 で,やっぱり最初はカセットに合わせてとかレコードに合わせて歌ってたんだけど,兄貴がギター弾きながら歌ってるのとか見て「やっぱ早くああなりたいな」と思って,自分の伴奏で歌えるようになりたくて楽器を手にしたんだよね.だから小学校4年ぐらいかな,ピアノ習い始めたんだけど,それもクラシックを習うんじゃなくて歌うためのピアノ?自分で伴奏して歌いたくてすべてが始まったみたいな.だからやっぱり歌が先行なんだよね.歌を歌いたい道具として楽器が欲しいっていう,そういう感じで練習してたんだよね.だから小学校のときから何も上達してないんだもん,楽器.(笑)

 そうしてるうちに中学ぐらいになって人前で歌いたい,自分で曲を作りたいみたいな欲求が出て来て,フォークギターでフォークソング作ったり,片方ではエレキギター持ってロックンロールやったり.その当時から両方だったんだよね.

 それで中学からバンドをやるようになっていわゆるバンドのボーカルとして人前で歌うようになったんだよね.

 でも俺,最初はバンドにギタリストとして入ったの.で,ボーカルが学校が変わっちゃったんで俺が歌ってみたわけよ.そしたら上手いわけ.上手いっていうかやたらハイトーンで.例えば何か曲をコピーしても前のボーカルはオクターブ下で歌ってたのに俺は同じキーで歌えちゃうのよ,もうツェッペリンだろうがロブ・ハルフォードだろうが(笑).そんな感じで,もちろん子供みたいな声だけどハイトーンで,あとは歌が好きっていうのが相まって自然とボーカリストTOSHIっていうのが形成されてったんだけどね.

 うん,だから今回のソロでも全然違和感ないんだよね,Xとは全然違う路線の曲でもね.元々自分の中にあるものだからね.

 XのTOSHIじゃなくてソロボーカリストとしての武器?あんまりたいした武器持ってないんだけど.(笑)とりあえずそのときに感じたままにやりたいっていうことらいで,これを特徴にしてっていうのはないけど,ただ歌が好きっていう気持ちとか音楽聴いてて心地良いっていうことを表現できればそれでいいかなっていう感じかな?Xが心地良くないってわけじゃないよ.(笑)Xをやったときの達成感っていうのは至上の喜びだからさ.あれはもう追い詰めてテンション上げて,自分を苦しめるわけじゃないけどそういう追い詰め方?でもソロは自分を解放して解放してテンション高めてくっていう感じだからね.もう「気持ちよければいいや」みたいなレベルっていうかさ,どう伝わるかは俺にもわかんないんだけどそれを俺が受け入れてみんなも受け入れて耳に残ってくれたらそれでOKみたいな.Xはそうはいかないからね,受け入れる前に考えちゃうみたいな.(笑)考えてもやれないことはやれない,でもやらなきゃいけない,みたいなね.(笑)

 でもね,結局行き着こうとしてるところっていうのは同じ場所かもしれないんだけどね,攻め方が違うだけで.そういう風に聴こえないかもしれないけど.(笑)